ONKYO の SE-200PCI サウンドボードと SoundBlaster AWE64 gold のマイクでゲインが悪い・ノイズが入るの巻
Blog なので筋道立てて書く必要もないだろう.時系列で書く.急いでいる人は最後の“結論”のところを見て欲しい.
そもそも発端は表題の通り, Skype でマイクのテストをしていたところゲインは悪いしノイズが入るのでおかしいと思った次第.
ネットで調べてみると, SoundBlaster AWE64 gold に付属しているマイクは ECM (エレクトレット・コンデンサー・マイクロフォーン:プラグインマイクともいう)で,チップが信号線,リングに AC 5 V,スリーブがグラウンド と書いてある.(実はこれがガセネタだったわけだが...)チップ・リング・スリーブについては Wikipedia を参照.
どうしようかと考えた.まず, AC 5 V は USB の電源が約 5 V なので,そこからとることにした.
まず,秋葉原に行って部品屋でモノラルミニプラグとステレオミニジャック・ USB 端子を買ってきた.そのついでにひょいと見かけた部品屋で“こうこうなんだけど...”と聞いたら,“駄目駄目,それはこれこれのボックス(1900円ぐらい)を買ってつなげないと”と言われた.1900円は高いのでそのまま帰宅.
モノラルのスリーブ・ステレオのスリーブ, USB の GND 端子を短絡.ステレオのリングと USB の 5 V を短絡.モノラルとステレオのチップを短絡してつないでみたが,全く音が出ない.さっきの 1900円の部品屋さんの言うことが気になる.再びネットで調べる.
そこでわかったのは,ただ結線してもだめだということ.1900円の言うとおりだった.回路を組まなければいけないらしい.へとへとになって出てきたのは,トラ技の回路図.
再び秋葉原に出向き,サンハヤトのユニバーサル基板の一番小さいやつ,抵抗 2.2 k x 2,コンデンサー 100 microF と 10 microF などなど買ってきた.秋葉原のガード下で買ったら,抵抗は金属皮膜って言ったのにカーボンだし,コンデンサーはプラスチックフィルムって言ったのに電解コンデンサーだし,ちょっとがっかり.
帰ってきて早速とりかかった.釣果はこの写真.ユニバーサル基板は紙フェノールだったのでカッターで切り目をつけてパキっといった.配線は UEW 線というのの一番細いのを買った.ちょっと扱いにくいけど結果的には便利に配線できた.半田ごてはコテ先が太いので苦労した.この半田ごては昔 Apple II を組み立てるのに使ったものだ.配線ピッチはどんどん狭くなっているのだろうか.
基板が写真の通りで完成.裏側はハンダ付けがヘタクソでとてもではないけど見せられない.
でも,でも鳴らない.一切音がでない.またネットで調べる. まず,秋葉原の部品屋でステレオジャックのピンアサインをきいて買ったのだが,なんかマル信さんの pdf を見ると違っているような感じ.メールアドレスがのっているのでメールで質問したら,こんなにくだらない質問に返答をくれた.さすが一流企業.また, AC 5 V からくるところの抵抗はマイクのインピーダンスと同じ値にするというので 620 k の抵抗を検討する.また, AC 5 V から GND に落としてやるところのコンデンサーは pF オーダーがいいというので 10 micfoF とか 2.2 microF を検討.また,マイクの信号線のコンデンサーは 2.2 microF でもいいというのでそれも検討.以上をもってして秋葉原に再出陣.ついでに果たして回路がまともなのかを検討するために秋月電子通商で見つけたコンデンサーマイクを.抵抗だのコンデンサーだのは千石電商で買った.ここは棚にきちんと並べられていて買いやすい.オーディオ用の金属皮膜抵抗とオーディオ用電解コンデンサーがあった.
コンデンサーマイク素子は先のリンクにあるとおりだが,写真もアップ.まずこのマイク素子を最初に作った基板にくっつけてみる.これで動けば最悪このセットで運用することにしようと思う.
で,結果写真のような格好になった.パソコンにつけて Skype のテストをしてみる...うーん,額面通りのイケメンの声が聞こえる.ちゃんと動くんだ.じゃあ,保険としてこれを作っておこう.と思う.まず,基板むき出しではナニだから,ケースに入れる.丁度いいケースがないが,引き出しをあさるとライターが入っていたケースが出てきた. Givenchy だ.ケースを加工して入れてみる.なんかちょっとやだ.
肝心な SoundBlaster のマイクだが,抵抗値を変更しても,コンデンサーの容量をいじっても全く音が出ない.全くでないというのはおかしいと思う.また,直流抵抗をはかったのだがチップとリングが短絡していることが判明.夜寝てから,ひょっとしてコンデンサーマイクじゃなくってダイナミックマイクなのではないか.とふと思う.
ハンダ付けが下手なのと配線を繰り返しすぎて各コネクターがグラグラなので再調達するために秋葉原に再出陣.
また,ちょっと格好をつけるためにタカチのユニバーサル基板とプラスチックケースを購入することとする.タカチのものは前にマルツで買ったが今回はエスエス無線(お店はいいのだけどウェブページを開くと midi の演奏で音が鳴るのがいただけない)で購入.線材とかも少し買う.
帰ってきて,まず 1 芯のケーブルでモノラルプラグとステレオジャックのチップ同士を結線.スリーブ同士も結線.これで, SE-200PCI と SoundBlaster のマイクをつないでテスト.結果,良好に音が出る.要するに,不調の原因はモノラルジャックにステレオプラグをぶち込んだので,リングとスリーブが短絡していたということだった.脱力.
せっかく買ったコンデンサーマイクも Givenchy じゃちょっと嫌なのでもう一度一から組み立てることにする.材料は写真の通り.タカチのケースとセットのユニバーサル基板はガラスエポキシの両面スルーホールなので一度ハンダ付けするとなかなか結線が取れない.その代わり片面に比べるとプリントパターンが剥がれにくい.組み立てた状態は写真の通り.(赤黒の線のプラス・マイナスを間違えた)若干ハンダ付けもうまくなったので裏もちらっと見せる.ケースに入れる.完成.まあまあの出来.
結果として,電気の“で”の字も知らない筆者がちょっとした回路を組むことができたわけだが,ネット上の雑音に振り回されたことも確か.
結論:
1. ONKYO の SE-200PCI サウンドカードで SoundBlaster AWE 64 Gold のマイクを使うためには 2 極のモノラルミニプラグと 3 極ステレオジャックをチップ同士,スリーブ同士で結線して使う必要がある.この心配は 2 極のジャックに 3 極のプラグを接続するときには常に生じる可能性がある.ちなみに SoundBlaster AWE 64 Gold に付属するマイクはダイナミックマイク.
2. ONKYO の SE-200PCI のようなサウンドカードに ECM (エレクトレット・コンデンサー・マイクロフォン) を接続するときには専用の回路が必要.電源が 5 V であれば USB から給電可能.
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